
すっかり春の陽気が感じられる今日この頃。近所の桜も葉桜となり、ほんのり桜の香りが感じられるようになりました。近所の道でもたんぽぽやカタバミ・ハルジオンなど春ならではの可憐な花々が咲いています。春の陽気を感じながら絵本が読みたくなり、我が家の本棚を探すと、「ぼくはぼくだよ(作:内田麟太郎 絵:藤井克彦)」という絵本を見つけたので久しぶりにパラパラとめくってみました。
どんな色にでもなれる小さなカメレオン、ある日オウムに「君の本当の色は何色なんだい?」と聞かれます。自分の本当の色が分からなくなったカメレオンですが…。というお話。その中の一節にこんなやり取りがありました。
◆◇*─*◇◆*─*◆◇*─*◇◆*─*◆◇*─*◇◆*─*◆◇*─*◇◆*─*◆◇*─*◇◆
かあさんにも、きいた。
「うまれたときは、どんないろだったの」
「あなたが、すぐ みてしまった すなのいろよ」
◆◇*─*◇◆*─*◆◇*─*◇◆*─*◆◇*─*◇◆*─*◆◇*─*◇◆*─*◆◇*─*◇◆
お母さんカメレオンの一言=小さなカメレオンが「みた」のではなく「みてしまった(・・・・)」という言葉は、意図せず目に飛び込んできたものがその子のカラーを形成してしまったという事。これを子どもたちの環境に置き換えると、小さな赤ちゃんが初めて目にする物や耳にする言葉など、意図せず見聞きしたものがその子を形作っていくとも言えるのかな、と考えてみました。
言葉が分からないからこそ優しく穏やかで丁寧な言葉遣いを意識して語りかけたり、柔らかで優しい素材や自然物を生活環境に配置したり…日々の生活がそのまま教育につながる乳幼児期ならではの育ちを、丁寧に丁寧に保障することが大切だと改めて実感しています。
この一年間も子どもたちの育ちを見守ってまいります。どうぞ宜しくお願い致します。
記:園長